About "AT通信"

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NOVEL

「- Avenger -」---著[レゴルス]---画[ちるね&みかん]---

目次

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第二項

  ダガー戦から30分前、オーレオール大陸、ホルデイン王国首都ナッツベリー―――。

「隊長、スカウトにクラスチェンジしたんですか」
「ああ、遠距離戦に長けているし、また上げていきたいからな」
「確かにそうですけど、隊長はパニしたくて変えたんでしょう?」
「その通り。伊達に私の部隊の隊員を務めていないな」
『あはははははは』

  溜まり場を兼ねている隊長の家で数人の兵士達が話で盛り上がっている。

「スキル振りもパニ中心だ」
「で、とことんパニですか?」
「いや、今までどおり召喚中心だ」
「ですよねー、そうでなきゃこの部隊の隊長してる意味ないですからね」
「それでこそ隊長だー」
「ははは」

  楽しく談笑していると突然、部屋のドアを開ける音が聞こえ、女性のウォリアーが現れた。

「やっぱりここで談笑してたのね」
「おーレムスちゃん。どうだい、君もこっちに―――」

  ゴォンッ。

  レムスと呼ばれたウォリアーに近づいたソーサラーは彼女の盾で殴られ、倒れた。

「残念でした。で、隊長」
「む?」
「ダガー島でゲブランド側に宣戦布告の動きがあるわ。行く?」
「ダガーか。皆、行くか?」
『勿論!』

  隊長の問いに口を揃えて一斉に答える兵士達。

「よし、各自準備整い次第ダガー島へ!」
『了解!』

  隊長の号令の直後、すぐさま出て行った。

「…さて」

  つぶやく様に言った後オノエルを取り出す。

「起きろー、ダガー島行くぞー」

  先程レムスに盾で殴られてノビてるソーサラーをオノエルで突っつく。

  彼の名はエルクラード。クラス『スカウト』。

  『第108戦術戦闘召喚団』の部隊長で、短剣寄りのハイブリッドスカウト―――。




  エスセティア大陸、ダガー島―――。

  攻撃側ホルデイン、防衛側ゲブランド。

「いつも通り、各々の役割を把握し、動き、そして生き延びるんだ!」
『はい! 隊長!』

  エルクラードの檄の直後、戦争開始の鐘が鳴り響いた。

「アサルト隊、僻地クリへ行くわよ!」
『了解!』

  レムスが率いるアサルト隊がキープから離れた僻地クリへ向かっていった。

  残りはキープクリでクリ掘りをする。

  第108戦術戦闘召喚団は、連携性を高める為に更に分隊化した形で行動している。

「隊長、自軍が押されています。ゲートオブハデスの建設を」
「ダメだ。オベリスクの展開がまだ充分じゃない。レムス!」
「何でしょう、隊長」
挿絵
「そっちでオベリスクの展開を素早く出来るか?」
「アサルト隊を含めて掘り7人います。充分出来ます」
「オーケー。前線のオベリスク展開ももう少しで済むようだ」
「なら!」
「ああ、そろそろゲートオブハデスを建てるぞ」
「俺に任せて下さい。門くりぼ@7」

  名乗りを上げたソーサラーにクリスタルを渡す。

「[D:3]にゲートオブハデス設置します」

  その直後、ゲートオブハデスが徐々に姿を現し始めた。

「よし、私はレイスで出る。他はナイトで護衛を頼む」
『了解!』

  それぞれ募集をかけ、召喚に必要なクリスタルを集める。

「隊長、ラーズグリーズ隊全員準備整いました」
「オーケー、一仕事行くぞ!」

  ゲートオブハデスの近くでクリスタルを掲げ、漆黒の死神―――レイスに変身する。

「ラーズグリーズ1、Wraith出撃する!」

  続いて馬に乗り、全身を鎧で纏う騎士―――ナイトが一気に3体現れた。

「ラーズグリーズ2、Knight出撃します!」
「ラーズグリーズ3、Knight出る!」
「ラーズグリーズ4、Knight行きます!」

  エルクラード率いる分隊、ラーズグリーズ隊全員召喚になったのを確認する。

「よし、前線へ向かうぞ!」
『了解!』

  レイスになったエルクラードを囲む形で配置に付き、前線へ向かった。




  ―――開始から随分経ったがゲージはゲブランド側が有利。


  ラーズグリーズ隊も度重なる敵ナイトの襲撃でかなり消耗している。


「敵の歩兵の進軍を許してしまうとは…」
「隊長、もう瀕死状態です。レイスを解除してキープへ!」
「敵ナイトは私達が抑えます!」
「…すまない。Wraith解除!」

  漆黒の死神たるレイスから元の姿に戻る。

  すぐさまキープに向かい走っていく。

「赤い髪の短剣スカウト、覚悟っ!」
「っ!?」

  背後からの奇襲にすぐさま身を翻し、携えてる短剣で攻撃を受け止める。

ゲブランドの片手ウォリアーだと―――!?

「ようやく見つけたぞ…仲間の仇っ!」
「くっ…何の事だ……っ!?」
「とぼけるな! お前の攻撃で仲間は倒れ、そしてお前のパニッシングストライクでこの傷跡がついた!」

何を言っているんだ、この敵兵は…?

「何の事なんだ…私は知らないぞ!」
「まだとぼけるか…ならお前の命を頂くっ!」

  ギィィンッ!!

  ウォリアーの重い一撃で短剣が弾かれ、地面に刺さった。

「しまっ―――!」
「これで終わりだっ!」

  今ので短剣は弾かれ、態勢もよろめいたまま。

やられる―――!!

  死を覚悟し、目を閉じた。

「スラムアタッ―――」
「サンダーボルトッ!!」
「がぁっ!?」

  覚えのある声を聞き、目を開けるとこれから立ち上がる敵ウォリアーと味方のソーサラーがいた。

  レムスのアサルト隊に属するソーサラー、エクシスだ。

「隊長! 敵のウォリアーは俺が止めます! 早くキープへ!」
「すまない、助かった!」

  エルクラードはそのままキープへ走って行った。

  到着すると、キープクリの傍にレムス達アサルト隊がいた。

「隊長! 一人援護に向かわせたけど大丈夫だった?」
「おかげで助かったよ。ありがとう」
「隊長、よくご無事で」

  アサルト隊の心配の声が上がる中、ハイリジェネレートを飲む干すエルクラード。

「しかしあのウォリアー、何故私を……?」

  独り言のように問うが、それを答えれる者はいなかった―――。


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「ノベル-AT通信-」作者と作品一覧

作者
作風
作品
Anry
Anry近影
独自の世界観が特徴。キャラ同士のセリフの掛け合いも面白い。
「Ring of the Kingdom」「War Dogs」他、読みきり1点
ルジェリア
ルジェリア近影
恋愛系が多め。女の子らしい内容が貴方を癒してくれるはずです!
「3 color's」他、読みきり3点
レゴルス
レゴルス近影
ギャグか?ギャグなのか?!本人は至って本気の作品達。BL臭がするのは僕が腐っているからか、、、。
読みきり3点
ディガル
ディガル近影
戦争・戦闘描写が細かい。何度も読み返す価値があるかと。
読みきり「浦波」
カヤ・エリル
カヤ・エリル近影
何気ない日常・会話、その中でふと考えてしまうことってありますよね。そういうお話。
読みきり「それを、覚えているだろうか?」
xxMILKxx
MILK近影
ファンタジー世界への飛び込めるような内容。あと恋の始まりの香りがぷんぷんしてきます。
連載小説「題名の無い物語」

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