About "AT通信"
- FEZ内であまり役に立たない情報を、自分達が楽しみながら発信していく「組織」、またはその「情報媒体」です。
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「princess days」---著[ルジェリア]---画[ちるね]---
第二項(完)
「・・・!」
思わず口が開いてしまいそうになり、ぐっとこらえる。
言い訳を焦って考えるメア
「メアも・・・かぶりたかったのか?」
「っ・・・」
「メアさんになら絶対プリンセスクラウン似合うと思いますよ!」
人前でこんなに恥ずかしい思いをするとは・・・
兵士として以前に女として・・・いや、とにかく顔から火が出そうだ。
鈍感なこの二人だからこそ良かったのかもしれない。
普通なら名誉騎士様が姫君気取りなどと皮肉を言われそうだったからな。
「仕方ない・・・冠だけだからな!」
茶髪の短い髪の上にちょこんと飾られるプリンセスクラウン。
ミルは目をキラキラと輝かせて見つめている。
ギールの反応が気になって仕方が無いメア。
ちらちらと彼を横目で気にする。
「お、綺麗じゃん」
「! な、どういう意・・・」
「このピンクの宝石いいよな?」
「可愛いですよね?。あ、メアさんも綺麗ですよ!」
「・・・」
この二人は天然なのか、それともわざとなのか。
無垢な笑顔で私の頭上のそれを観察する姿がとても無邪気で
思わず頭を撫でたくなる衝動に駆られた。

メアはクラウンを取ると、後ろポケットに無造作に放り込む。
「あっ・・・もったいないです!」
「少しの間だけだ」
つん。と口を尖らせながら鈍い彼をちらりと見る。
― 何か言うことはなかったのか・・・!
冠は確かに可愛いが、私はおまけなのか・・・!?
「もったいないなー」
ええ、そうよね!
どんなに綺麗なものでも私みたいな血生臭い女に身に着けられちゃもったいないわよね
私じゃなくて冠が!
「メアに似合ってたのにな」
「・・・は!?」
予想外の言葉に思わず驚きの声をあげてしまった。
― 何よ何よ何よ・・・!
この天然ギールッ・・・そんな裏表の無いような無邪気な笑顔で言われたら
・・・っーあーもう!私どうしていいか分からないじゃないか!
「・・・たまには冠も悪くないな」
「お、また今度かぶんのか?」
「気が向いたらな!戦場では絶対にご免だ」
「確かに戦場だともったいないよな。冠が汚れそうで」
「・・・ギール。あとで訓練所に来い。模擬戦をやらないか?」
「おっ。いいなーやろうぜ」
ギールは、よく分からない奴だ。
いや私が振り回されてるのか空回りしてるのか分からないが
何でこんな変な気持ちになるんだ・・・!
複雑な心境を忘れようとするように、彼女は前線でただひたすら斧を振るった。
― まあ、たまにはプリンセスとやらも・・・悪くないかもしれんな。
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