About "AT通信"
- FEZ内であまり役に立たない情報を、自分達が楽しみながら発信していく「組織」、またはその「情報媒体」です。
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「princess days」---著[ルジェリア]---画[ちるね]---
第一項
「あなたは女の子だから・・・これがいいわね」
そう言っておばあさんは小さな冠を私にくれた。
ピンク色の宝石で飾られた女性用のクラウン。
ハチミツ一個あげただけでこんなに素敵なものが手に入るなんて・・・
「お、何してんの?」
「っ!」
首都の端っこで冠を見つめていたところ、
突然降って来た声に驚いて手に持っていた冠を落としそうになる。
後ろを振り返ると戦争帰りのギールがいた。
ギールとは長い付き合いで、困ったときにはお互い相談しあっていたし
隠し事もお互いしないつもりだった。
戦場に行って味方軍に指示を出して首都では食料の補充と武器の手入れ。
そしてまた戦場へ・・・の繰り返し。そのおかげでやっとウィンビーン氏より名誉騎士として称えられた。
そのことを誇りに思い、「女」ではなくただ一人の兵士として一生を戦場に捧げるつもりだったのに・・・
ギールにこんな女々しいもの持ってるなんて知られたら私のイメージが・・・
「何か手にもって・・・」
「た、ただの両手斧だ。気にするな」
冠を後ろのポケットに乱暴に突っ込み、
何事も無かったかのように立ち上がる。
「ん、そこにしゃがんで何見てたの?」
「何でもない。気にするな」
「何か隠して・・・」
「メアー!」
ギールの言葉をさえぎったのは、私の友人のソーサラーの呼び声だった。
内心安心した私は友人にナイスと心の中で呟きながら声を返す。
「ミル。何かあったのか?」
「見て見て?! そこのおばあさんから貰ったの?」
「!」
ミルが身に着けていたのは、お姫様のような、ピンク色のドレス・・・
そして頭上には私が持っていた冠と同じもの・・・
「おー。似合うな」
「ギールもそう思うー?ありがと?」
確かにミルに似合っている・・・
だが何故か私の心境は複雑だった。
― 私だってつければギールに似合うって言ってもらえ・・・
そう思いかけたところで首を振った。
何を考えているのだ。私らしくない・・・
「メアも貰ったのか?あのおばあさんに」
「・・・まさかあのおばあさん、配って回ってるのか?」
「うん。そうらしいぞ」
「うんうん。何だかよく知らないけどあまってるんだってーだから私も貰っちゃった」
「・・・わ、私は・・・そんな女々しいものいらん」
「えっ!もったいないですよーメアさんなら絶対似合うと・・・」
冠だけならまだしも、ミルが着ているフリフリ・・・いやドレスか。
そ、そんな可愛らしいもの恥ずかしくて着れるわけがない!
「とにかく私はいらん!」
似合わないと思ったから思わず声を張り上げてしまった。
私らしくもない。
そう思ったとき、耳に入ってきた言葉に私は驚いた。
「似合うと思うよ」
「え・・・?」
間違いなくギールの声だった。
笑顔で私に微笑みかけて・・・
「うん!メアなら絶対似合うよ。スタイルいいし私よりずっと綺麗だし・・・
それに・・・あ!」
カツッ
二人の予想外の言葉に驚いてメアの手から金色の冠が落ちた。
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